【朝日新聞】古本やCD…寄付で集めて販売 障害者らの働く機会提供

2019年8月19日 朝日新聞

 

  古本などの収集や販売を通じ、障害者や高齢者など就職に苦労する人々に働く機会を提供する取り組みが盛岡市内で行われている。今年5月、市や市社会福祉協議会が始めた。読み終えた本をいかした就労支援は全国的に珍しいという。

事業名は「ブック&ブックエナジーinモリオカ」。市によると、盛岡市は新刊本の売り上げは全国でもトップレベルとされ、本が多い点でも事業が円滑に進むと判断した。

 市役所などに設置された寄付ボックスで集められた本やCD、DVD、ゲームソフトなどは、実施団体となる市内の福祉機関に持ち込まれる。ここで、障害者らがクリーニング作業や、インターネット販売での注文受付、梱包(こんぽう)・配送作業を担う。売上金は、工賃として就労者に払われたり、高齢者や障害者を支える団体に寄付されたりする。

 実施団体の一つ、同市本宮のNPO法人いわてパノラマ福祉館には、軽度から重度までの障害を持つ約20人が働く。勤務時間は午前9時~午後3時で、工賃は1カ月で1万円ほど。同館には7月だけで約6700冊の本が集まった。

 精神障害をもつ20代の女性は商品の料金設定など責任ある業務をこなす。「ミスをしてもどう対処するか自分で考えられるようになった」とやりがいを感じている。同館の高舘美保子代表(55)は「この事業で一人一人の状況に合った職や社会参加を手にするきっかけになれば」と期待する。

 事業では刑期を終えた出所者の就職活動など社会復帰も支援する。寄付や就労に関する問い合わせは、市地域福祉課(019・626・7509)へ。(太田原奈都乃)

 

記事元はhttps://www.asahi.com/articles/ASM865KN9M86UJUB012.html

 

 

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