【IT Media】パーソルチャレンジ、ITに特化して障害者の就労を支援 背景には進まぬ障害者雇用

 2019年11月12日

 

障害者雇用支援事業を手掛けるパーソルチャレンジ(東京都港区)は11月1日、IT特化型就労移行支援事業所「Neuro Dive(ニューロダイブ)」を開設した。人工知能(AI)や機械学習、データサイエンスなどの先端IT領域で障害者の職域拡大を目指す狙いがある。

就労移行支援は、障害者総合支援法に基づいて提供される福祉支援サービス。65歳未満の身体、知的、精神障害または難病のある人で一般企業への就職希望者が対象。最長2年間、就職に関する相談や必要なスキル訓練などを受けられる。

 厚生労働省が2018年に発表した調査によると、民間企業の障害者雇用率(法定雇用率)が現在2.2%なのに対し、実雇用率は2.05%、達成している企業の割合は45.9%にとどまっている。法定雇用率は20年度末までに2.3%へ引き上げることが予定されており、企業においてはさらなる雇用の増大の必要性が出てくる。これまで障害者を募集していた職種だけでなく、新たな職種での募集も必要になってくるだろう。障害者側も、これまでにはないスキルを磨く必要が出てくる。

 

 人材市場では産業構造の変化により、IT人材の必要性が高まっている。経済産業省が16年に発表した「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」では、19年をピークにIT人材の供給数は減少していくと予想。30年には需要に対して最大で79万人が不足すると見込まれている。

こうした背景を受けて、ニューロダイブは設立された。ニューロダイブでは、オンライン学習サービス「Udemy」などを通し、IT領域のスキルを学習する。また、国家資格を保有したキャリアコンサルタントとITに詳しいスタッフを配置し、それぞれの特性に沿った支援を行っていく。実際に就職活動を行う際は、パーソルホールディングス内で連携し、転職サービス「doda」を活用するなどのフォローも行っていく。担当者によると、20人の定員に対し既に10人の利用者がいるという。

 障害者の就職支援サービスなどを手掛けるリクルートスタッフィング(東京都中央区)の飯尾朋子氏は、「『障害者だから』といって一律に線引きするのは良くない。ITは先端的なテーマだが、持っている障害によっては適性があるケースも存在する」と話す。法定雇用率の引き上げを前に、企業側も障害者側も、新たなステップを踏み出すことを求められている。

 

 

記事元はhttps://www.itmedia.co.jp/business/articles/1911/12/news063.html

 

 

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