【Suumoジャーナル】”痛み”とともに働く――精神障がい者がテレワークで得た変化

2020年4月11日

 

 

日本では今、在宅で生活する障がい者約365万3000人のうち、雇用されている人は約56万人と約15%程度にとどまる(※)。また、うまく就業につながっても、職場になじめなかったり、ストレスを抱えて離職してしまうケースも少なくないという。 このような不均衡を解決すべく、企業には障がい者雇用の拡大が求められている。前回の記事「通勤できない精神障がい者に、テレワークで広がる働く機会。在宅雇用支援サービスのいま」では、テレワークが障がい者雇用の推進につながっている動きについて、企業、障がい者両方の視点からお伝えした。

今回お話を聞いたのは、在宅雇用支援サービスを通じて就職し、自宅でテレワークをする岸さん、24歳。テレワークを選択した理由、就職活動、日々の生活について詳しくお話を聞いた。

強い“不安”と、原因不明の痛みがおそう日々

「やっと家族の負担にならないと思える生き方ができるようになりました」

そう笑顔で語る岸さん。幼いころから過ごしてきた湘南エリアの一軒家で両親と同居しており、不安の症状や原因不明の体の痛みを抱えながらもテレワーカーとして働いている。

高校卒業後に看護師を目指して看護大学に入るも、実習がきっかけで大きく体調を崩してしまった。結果的に進路変更という形で退学を決断したものの、不調が悪化し、抑うつ状態や強い不安の症状が生じ始めた。その翌年には原因不明の痛みが発生する身体症状症も併発し、胸と右足の痛みに常に悩まされるようになった。

テレワークで働き始めて半年が経ち、罹患した当時に比べると大きく落ち込むことは少なくなったものの、未だに不安の症状は強い。

「『出かける30分前に起きる』という友人がいるのですが、私は絶対にできないです(笑)。最低でも外出する2時間前には起きて、忘れ物がないか何度もチェックします。そうしないと気が済まなくて」

岸さんは左手に持った杖に体重を移動しながら、足の痛みを避けるように一歩一歩ゆっくりと歩く。「バスや電車で数駅を移動するだけでも大変です」と、岸さんは表情を歪める。

「私にとっては、出勤自体がかなり消耗することなんです。面接に行って帰ってくるだけでも、疲労感がすごくて、痛みがひどくなってしまうこともありました。だから家で仕事ができるのは、本当にありがたいことなんです」

 

続き、記事元はhttps://suumo.jp/journal/2020/04/11/171719/

 

 

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