【Yahoo!ニュース】障害者と健常者が忖度なしに言い合う。ありそうでない超個性派揃いのバリアフリーサークルと出合って

2021年6月6日

 

 

現在公開中のドキュメンタリー映画「ラプソディ オブ colors」は、東京都大田区にある、バリアフリー社会人サークル・colorsを500日間にわたって撮影している。

 

 「colors」があるのは古い3階建てのシェアハウス&イベントスペース「トランジット・ヤード」内。1階がイベントスペース「Transit Cafe Colors」となり、colorsとNPO法人「風雷社中」が協働運営し、定期的にイベントを行い、障がいのあるないにかかわらず、さまざまな人が集う場となっていた。

 

 2階はカメラマンやヘルパーさん、ミュージシャンがルームシェアしており、3階には重度知的障害のあるげんちゃんが1人暮らしをしている。

 

 colorsの代表を務めるのは、頚椎損傷と脳の血種による障害者でシングルマザーの石川悧々さん。DET(障害平等研修)のトップファシリテーターとして活躍する彼女のもとには、その人柄もあって障がい者のみならず実に多様な人々がやってくる。

 

 作品は、この場所に集う個性豊かな人々と、入居する建物の突然の取り壊しが決まり閉鎖されるまでの日々が合わせて記録されている。

 

 本作を手掛けた佐藤隆之監督はかつて大林宣彦、黒木和雄、鈴木清順らの助監督として活動。その後、テレビやネット配信の作品で監督脚本を手掛けながら、45歳でタクシードライバーに転職し、いまはドライバーを続けながら個人製作のドキュメンタリーを発表している。異色の経歴をたどる佐藤監督のインタビューを2回に分けてお届けする。

「へぇ、こういう場所があるんだなぁ」と思いました

 まず佐藤監督は「colors」という場との出会いをこう明かす。

 

「今回の『ラプソディ オブ colors』にも登場してますけど、友人の写真家、柴田大輔さんが、あの建物の2階に住んでいた。

 

 それで、彼が前作『kapiwとapappo~アイヌの姉妹の物語~』をcolorsで上映したいと言ってくれて。その打ち合わせで初めて『colors』を訪れました。2017年の9月でした」

 

 そのときの印象をこう語る。

 

「へぇ、こういう場所があるんだなぁと思いました。石川(悧々)さんも強烈な個性を放っていた。『打てば響く』と言うか。声もでかいしね(笑)」

 ただ、すぐに撮影を申し出たわけではなかったという。

 

「翌年、長年温めている映画のシナリオをちょっと直そうと思って。そのシナリオの主人公というのが知的障害のある設定だった。

 

 そこで、知的障害について実際をもっと勉強したいと思っていたところで、『colors』のことが頭に浮かんだんです。あそこに行けば、いろいろな障害を抱えた人が出入りしている。いろいろな話をきいて、参考にしたいなと。ということで、たとえばバーベキューとか、『colors』が開いているイベントに遊びがてら、行くようになりました。

 

 そのうちに、石川さんと、彼女の相棒というか、同志というか。『Transit Cafe Colors』を協働で運営するNPO法人『風雷社中』理事長の中村(和則)さんに惹きつけられた。

 

 まあ映画をみてもらえればわかりますけど、石川さんは白黒はっきりした性格で、多くの人に慕われる一方で、気に入らない人は一刀両断で突き放す。劇中でも言われてますけど、『魔女』と称されるぐらい個性的で異様に押しが強い(笑)。

 

 中村さんも地域の障害福祉の立役者で、やっていることはすごい。福祉や障害者の自立について語ることは舌鋒鋭くいずれも正論。役所が太刀打ちできないくらいやり手の人物ではある。でも、いつもくたくたのTシャツ・無精髭姿、歯を磨かなかったりとだらしなくて、とてもそんな人には見えない(笑)。

 

続き、記事元はhttps://news.yahoo.co.jp/byline/mizukamikenji/20210606-00241513/

 

 

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