【ヨミドクター】徹底的に突き詰め、こだわる…発達障害の社員 IT業界で能力発揮
2021年8月18日
IT(情報技術)分野で、発達障害を抱える人の活躍の場が広がりつつある。他人とのコミュニケーションが苦手といった困難があっても、専門性の高い仕事に向いているケースも多いためだ。能力を発揮するためには、周囲の理解と、得意なことを伸ばすチャンスを与えられることが重要だ。(村上藍)
繰り返し点検、長時間集中 人とのやり取り苦手だけど…
「今の仕事は天職。できることとやりたいことが一致していて、褒められるとやる気にもつながります」。IT大手の特例子会社で、ゲームやITソフトの品質テストなどを担う「デジタルハーツプラス」で働く仙台市の及川諒さん(26)は、笑顔でこう話す。
及川さんは、発達障害の一つで、自閉スペクトラム症(ASD)の診断を受けている。人とのコミュニケーションが得意ではなく、特に電話やメールでのやり取りは苦手だ。上司らとの会話では、ゆっくり、繰り返し話を聞いてもらうことで、安心して働ける。 一方、継続して物事に取り組むことは得意だ。職場ではゲームなどを同僚と繰り返し点検して欠陥を探す。長時間集中できる特性を発揮し、不具合を多く見つける。及川さんは「今の仕事をずっと続けたい。ITに関われる職場があって良かった」と満足げだ。 デジタルハーツプラスでは、雇用する約30人のほとんどが精神障害や発達障害を抱える。徹底的に突き詰めたり、こだわったりする障害の特性を生かし、重要な戦力となっている。ただ、工程の管理が苦手で、真面目で働き過ぎることもあるため、その点は上司が注意を払う。 また「項目に沿って点検をすることが得意」「自由に操作して点検することが得意」などと、発達障害の種類によって得意分野が異なる。苦手な仕事も担当するが、それぞれに合わせた仕事を割り当てるよう意識している。 畑田康二郎社長(42)は「一人一人が違うことは当たり前なので、誰もが活躍できる職場を作っていきたい」と話す。
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