【上毛新聞】障害者にeスポーツ 伊勢崎の福祉施設に養成所 挑戦を後押し

2018年10月27日 上毛新聞

 

 コンピューターゲームで競い合う「eスポーツ」の腕を磨く、重度障害者向けの養成所が11月、群馬県伊勢崎市西久保町の介護福祉施設「iba-sho(いばしょ)」内に開所する。eスポーツのプロチームから派遣されたコーチの指導を受け、技術を身に付ける。eスポーツは今夏のアジア大会で公開競技として行われるなど世界各国で人気が高まっており、新たな分野に挑戦する障害者を後押しする。

 

 

◎11月に体験会 プロチーム結成目指す

 養成所を開くのは、県内を中心に障害者向けのデイサービスを運営し、就労支援を行う「ワンライフ」(同市、市村均弥社長)。専用の2部屋に計13台のゲーム機器を設置した。プロチーム「Unsold Stuff Gaming(アンソールド スタッフ ゲーミング)」と提携し、チーム戦の「MOBA」や「カードバトル」、「シューティングゲーム」の3部門で戦略を学べる。パフォーマンスを十分に発揮できるよう、利用者の特徴に合った専用器具の開発も進める。

 常務の樺沢秀明さん(30)によると、デイサービスの利用者や家族から「やりたいことがない」「安全に預かってくれるだけでいい」など消極的な声を聞くことが多かったという。障害があっても夢に積極的に挑戦してほしいとの思いから、養成所の開設を決めた。

 日本初の障害者によるプロチーム結成を目指すといい、樺沢さんは「大会の賞金やスポンサーがつくことで経済的に自立し、他の障害者に影響を与える存在になってほしい」と話す。

 対象は18歳以上で、障害支援区分3以上の人。定員10人で、申し込みを受け付けている。通所が難しい人には同社が運営する施設などに住居を用意する。

 11月10日にeスポーツの体験会を開く(要予約)。問い合わせは同施設(電話0270-75-3476)へ。

 《eスポーツ》 エレクトロニック・スポーツの略。パソコンゲームや家庭用ゲーム機などを使った対戦をスポーツと捉える。チームに分かれて陣地を取り合うゲームや格闘ゲームなど種目はさまざま。観客は競技会場の大型モニターやインターネット中継などで観戦する。ジャカルタ・アジア大会では公開競技として実施され、サッカーゲームで日本チームが優勝した。五輪・パラリンピックの種目に採用を模索する動きもある。

 

記事元はhttps://www.jomo-news.co.jp/news/gunma/society/88517

 

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