【2018年11月1日　ITmedia ビジネスオンライン】

 

　全国の有名百貨店や高級スーパーのスイーツ売り場で、おいしいと評判のチョコスイーツがある。製造しているのは、横浜市内のチョコレート工房「ショコラボ」で働く知的障がい者や精神障がい者たちだ。この工房は、元銀行員の伊藤紀幸さん（53）が、試行錯誤の末に6年前の11月1日に立ち上げた障がい者の就労支援施設だ。障がいのある一人息子が自立できるよう、障がい者でも正当な賃金を得られる仕事を創りたい。そんな一人の父親の思いが、極上のスイーツを生んだ。

横浜市郊外。最寄り駅から徒歩5分のビルの1階に、「ショコラボ」はあった。チョコレートの甘美な香りが漂う工房内に入ると、純白の作業服に身を包み、チョコレート色のエプロンを掛けた十数人の男女が、黙々と作業をしている。大きな鍋でチョコレートをかき混ぜたり、ドライフルーツにチョコレートを塗ったり、チョコレートでパンダの顔を描いたりと、一見、何の変哲もない工房の光景だ。

　だが、ここで働いていのは、知的障がいや精神障がいのある人たち。「一番大変なのはドライフルーツをカットする作業ですね。もともと一個一個形が違うので、カット後の形も不ぞろいで構わないのですが、そう指示しても、形にこだわって作業に時間がかかることがよくあります」と、作業をサポートする伊藤さんの妻、祥子さんが説明してくれた。

 

 

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